新藤兼人の言葉
世界の優れた劇作家は自分の生き方や生活、考え方を命懸けで書いている。絵空事でもなければ、客観でもない。作者自身が痛切に感じ、考えた事が表現されていなければ本物ではない。 (朝日新聞 2004年10月10日)
<解説> どうすればいいシナリオが書けるか悩む前に、生活していて、常に自分が願っていること、言いたいことがあるなら、それを筆に任せるままに書けば、いきいきとしたシナリオになる。書く前から心の軸が定まっていなければ、いくら悩んでも、いいストーリーは生まれてこない。シナリオとは、書き手の自伝であるからして、そこに自分の信念がないものは紛い物である。これはSF映画にもドキュメンタリー映画にも言えることであるし、音楽や絵画にも言えることである。無論、職業ライターにも言えることだ。
2004年11月11日