トニー・レオンの言葉
苦しむことが分かってるのに、なぜ僕はいつも彼(ウォン・カーウァイ)の映画に出るのかと自問したことがある。答えはハードルの高さだった。要求が高いから役者魂が刺激されるんだ。 (文藝春秋「クレア」誌 2004年12月号)
<解説> ウォン・カーウァイは、カンヌ映画祭に遅刻してきたことからもわかるように、かなりわがままな映画監督らしい。そのカーウァイ映画の常連として活躍するトニー・レオンは、なぜあれほど過酷な現場をあえて選んできたのかを回想してくれた。「2046」では5年間も働かされてしまったが、役作りでは髭をはやすことをカーウァイに押しきってしまうほど、熱心な演技派である。 自分から自分に苦労を課すことで、それをやる気のエネルギーへと変える。これが処世術というわけ。
2004年11月7日