Break Out!

石立鉄男さん
石立鉄男さん
ベテランぶりを感じさせるトークでした。役作りの話はとても勉強になりました。

森下千里さん
森下千里さん
最近すっかり雑誌の表紙などでもよく見るアイドルなので、僕もちょっとドキドキでした。

森脇ゆかさん
森脇ゆかさん
おっとりしてて声が可愛かったですよ。そこにいるだけで空気が和みました。

南佳孝さん
南佳孝さん
映画の世界とは次元が違うぞって感じがかえって大物っぽかったです。

ヲノサトルさん(サントラ担当)
ヲノサトルさん
渋くてかっこいい人ですよね。言うことも説得力がありましたねぇ。

<ブレイクアウトのあらすじ>
熱海で悠々自適な生活を営む阿久根瞬(石立鉄男)は、娘のリカ(相田翔子)の婚約者鈴木一郎(高野八誠)に会うために東京に向かう。娘との再会に喜ぶのも束の間、鈴木家で瞬を待っていたのは、35年前に一緒にバンドを組んでいたが、ある事件で解散したメンバー鈴木太郎(南佳孝)と、そのメンバー花子と瓜二つのすみれ(森下千里)であった。愕然としながら、娘の結婚を白紙に戻す瞬。リカと妹のリナ(森脇ゆか)、一郎と35年前から瞬と太郎を知るミッキー(松山政路)らの尽力により、瞬と太郎、そしてすみれはもう一度NARUで再会することになる。(発表会案内文より転載)

TOSHIBA WEB STREET
http://www.toshiba.co.jp/webstreet

行ってきました。「ブレイクアウト」製作発表会。以前当サイトでもご紹介しました秋原正俊さんが放つインターネット向けの新作映画です。毎週少しずつネットで配信していく新システムの映画形式は、今後間違いなく流行ることでしょう。本作は1月末より、テアトル池袋にてレイトショー公開します。この話題作を「週刊シネママガジン」では、一足早くレポートしちゃいます!

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秋原プロデューサー挨拶抜粋「実は最初のウェブストリートの作品をやったとき、石立さんと、今は亡き名古屋さんのお二人をメインにやっていたのですが、その時にお二人と「今度ジャズのバンドの話なんかいいよね」という話をしていました。その後、半年後に名古屋さんがお亡くなりになって、企画は一回断ち切れたかに思ったのですけども、名古屋さんの意思を、今回南さんという強力な本当のミュージシャンをいれることによって、実際に企画として立ち上がりました。今回名古屋さんのご遺族の方のご協力を得まして、名古屋さんは写真と声で参加しています。本作も今日(2004/10/6)から公開となって、1月の中旬まで毎週更新していきます」

Q.石立さん、ウェブドラマについてはどう思っていますか?
石立「なんてったって画面が小さいから、なんとなく、まあ初めて映画の方がテレビに出た時の違和感と同じような感じを受けてるんじゃないかと思うんですけど。ある意味間違いなくテレビを凌駕するんじゃないかなと思ってます」

Q.森下さん、インターネットについて一言お願いします。
森下「インターネットは、ビデオもそうなんですが、自分がやりたいときとか、自分が見たいときに見れるっていう、すごい現代にあった性質を持っていて。自分の生活自体にもすごくあってるから、本当に便利だと思います。・・・ちょっと真面目なこと言ってみました(笑)」

Q.南さんと森脇さん、撮影中に感じたことは?
「映画の段取りって、音楽とは全然違っていて、新鮮でした」
森脇「やっぱ最初は大人の人たちばかりで、すごい緊張したんですけど、なんか、現場の雰囲気が和やかっていうか、なんかすごいみんな優しくて、とてもやりやすかったです。すごい、なんか石立さんとかも、思ってたよりも優しい人で、なんかアドバイスとかよくくれて、いい人だなあと思いました」
石立「私はこの世界を40なん年やってきましたけど、和やかっていうよりも、同好会ですかね。アマチュアの集団だから。みなさんそれに参加することに熱意もってくれるということではいいんですけど。撮影から進行から演技から含めて演技の基本が統一されてませんから、逆に言えば、それはそれで見てみると面白いんじゃないかな」

Q.ヲノさん、音楽はどういう気持ちで作曲しましたか?
ヲノ「石立さんとか南さんは子供の頃から拝見してまして、憧れてた方達ですから、その方の演技の上に音楽をならすという、非常にミュージシャンとしては光栄で、感謝しております。映画全体が非常にコミカルで、コミカルの中に切なさがあるといった感じだったので、そういうイメージだけで作曲させてもらいました。演技の質も空気も全く違った人たちのドラマを接着する接着剤といいますか、空気のような雰囲気づくりを心がけました」

Q.森下さん、ラストの演奏シーンにあたって思ったことは?
森下「最初すごく緊張して、あたしが歌っちゃっていいのかなと思ったんですけど、でも、なんか「ノリで」みたいな感じがすごく強かったので、セッションみたいで。あたしも自分で歌を歌いますけど、そういう経験をさせていただいたのは、あのとき初めてだったので、楽しくできました」

Q.皆さん、どのようにして役作りをしましたか?
石立「私の場合は何十年もこの世界に来ていますもんで、台本もらってプロデューサーからお話があった時点で、それじゃ今回は「Aの3」でいこうとか、引き出しのひとつを取り出すだけなんですよ。で、現場に入って、その相手役なり、演出の方なり、あとは「Cの3」をちょっと合わせようみたいな、私にできるのは、まったく新しいものを創造することじゃなくて、自分の引き出しの組み合わせみたいな形なんです」
森下「基本的には私の存在がキーパーソンになってると思いますので、そこらへんの存在が物語にスパイスとして出ていればいいです」
森脇「えっと、前回は自分をそのまま出したんですけど、今回はやっぱ少し自分と違うところがあったんで、そういうところをうまくやりました(ちょっと照れ笑い)」
「僕は演技の「え」の字もないので、台本もなるべく字数も少なくしたという言葉を受けて、とりあえずそのまんま言うなりにやりました」

石立「たぶんこれからのお芝居っていうか、映像も含めて、ドラマ作りって、こういう形になっていくと思うんですよ。私がこの世界に入ったころは、演技の基礎とか、表現はこうしなきゃいけないとか法則があったんですけれど、それがたぶんこれからなくなってくるでしょうね。物心ついたころから、これだけのメディアが常に身近にあるんですから、子供達は潜在的に自分を表現することに慣れてきてると思うんです。だから森下さんは10代でそれなりにやってますから、これくらいのことなら、演技指導しなくても、すっと入ってこれるんですよね。生まれたときからテレビを見ている人と、私みたいにラジオから育った人間の違いが如実に表れています。
私はよく若い人たちに上手下手云々っていうんですけど、私の基本というのは、役作りをしてるかしてないかだけしか見ないんですよ。地が出てるのは演技じゃありません。「演技がおかしいよ」といって「私は一生懸命やってます」と返す人がいますけど、こんなもの誰だって一生懸命やってるわけですから。演技が上手かどうかの基準は、台本に書かれていないことで、その役が生まれた時からこれこれこうなって、今現在このドアを開けるときに、それだけの思いを背負って出て行くんだっていう意識が役者の中にあるかないかだけなんですね。でも、インターネットの世界だけはちょっと判断できないですね。その本人の存在そのものが魅力的だったら使う、みたいな世界になってきていますから。インターネットは、これからどんどん生きていくんじゃないかと思いますね」

取材担当・澤田

2004年10月6日