アドルフ・マンジュー

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アドルフ・マンジュー  

 なんかまたマニアックな人紹介してすいません。知ってる? 映画マニアの君ならマンジューのようなビッグスターは知っとかんといかんぞ(て俺なに威張ってんだろ)。

 この人は、二人の完全主義者の映画に出た。チャップリンとキューブリックである。作品は「巴里の女性」(23)と「突撃」(57)である。マンジューだけがチャップリンとキューブリックの両者の映画に出ているただ一人の人物なのだが、これは大変名誉なことではないだろうか。チャップリンもキューブリックもどちらも映画史上最高の映画作家といわれている人だ。マンジューが演出を受けていた頃、まだチャップリンもキューブリックも本当の意味で完全主義ではなかったが、マンジューが「チャップリンとキューブリックはとても似ている」という言葉を残したことを思うと、その後のワンマンぶりを予言していたようで興味深い。

 「シーク」(21)、「三銃士」(21)、「結婚哲学」(24)、「モロッコ」(30)、「犯罪都市」(31)、「戦場よさらば」(32)、「勝利の朝」(33)、「オーケストラの少女」(37)、などなど、マンジューは沢山の名作に出演した。ここにあげた作品はすべてビデオ化されているので、何か見てもらいたい。「犯罪都市」は別題名「フロント・ページ」。その後何度かリメイクされた舞台劇だが、映画ではマンジューが一番最初。同作でアカデミー主演男優賞にノミネートされた。とにかくマンジューはサイレント時代からトーキー初期にかけてずば抜けて個性的な役者である。あまりにも昔すぎるせいか、今ではマニアックな存在になってしまって、ちょっと悲しくもある。

 それにしてもチャップリンの映画に出てからその後成功した俳優はマンジューくらいしかいないねえ。アドルフ・マンジュー、良い名だ。

 

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