以前、僕は「『トロイ』(04)は女優が良くない」などと発言したことがあった。その女優が、この人ダイアン・クルーガー。『トロイ』のときはまだほとんど無名だったのに、戦争の原因となるほどの絶世の美女役をやっていたので、「こんな奴にこの大役が務まるわけがねえだろ」みたいに、かなりけなした記憶がある。今は深く後悔している。もう出てこないと思っていたら、その後も色々と出てくるじゃないの。今週は謝罪の意味も込めてダイアン・クルーガーを紹介します。
この発言を取り消したくなった映画は『ナショナル・トレジャー』(04)。これ、『トロイ』と同年だったのね。知らなかった。日本では遅れて入ってきたけど、映画のできは個人的に好きじゃなかったが、「この映画は女優がいい」と思った。今までになかったヒロインだと思ったからね。これは彼女にとって大きなチャンスだったに違いない。調べてみるとこの年は『ホワイト・ライズ』(04)にも出てる。がんばってるんだなあと感心してしまった。『ナショナル・トレジャー』は1作きりと思ってたら、続編も出来ちゃったね。これは人気急上昇の予感。
彼女はどうやらリュック・ベッソンに見いだされたということらしい。幼くしてバレエを習い、15際でモデルになり、フランスで活躍しているうち、リュック・ベッソンに注目されて映画でもがんばっていく気になったらしく、後に彼の作品『ミシェル・ヴァイヨン』(03)に出た。こんな感じで、順調にキャリアを積んでいっている。ドイツ人なので、ドイツ語はもとより、英語もフランス語もぺらぺらで、各国の映画に出ている。いよいよ本格的な主演作となった『戦場のアリア』(05)は高く評価され、アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされた。
おすすめは『敬愛なるベートーヴェン』(06)だ。ドイツの偉大なる作曲家ベートーヴェンにもしも女がいたらという設定で、架空の人物を演じている。前から思ったけど、彼女の顔立ちはいかにもドイツ美人って感じで、こういう古い時代を描いた映画によくあっている。
もらってる役が、流れ的にはちょうどキーラ・ナイトレイやスカーレット・ヨハンソンみたいな位置づけだけど、全然印象は違いますな。この間ダイアン・クルーガーのインタビュー映像を見たけど、お客さんの前で照れちゃって、赤くなった顔を両手で隠すしぐさが、ちょっと可愛かったです。僕と同い年だし、これからはしっかり応援しますよ!
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