Martin Landau
US Actor (1931-)
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以前このコーナーでクリストファー・プラマーを取り上げたが、マーティン・ランドーもプラマーと同じく、若いときに一度成功して、年老いてからまた成功している俳優である。
僕にとってはおじいさんのイメージしかない。若い頃のイメージはやはり「スパイ大作戦」(66)に尽きるのではないか。これで変装の達人を演じ、お茶の間のスターになった。嫁さんのバーバラ・ベインも一緒に出演した。映画の世界では「北北西に進路を取れ」(59)に出ていた。あれだけ特徴的な顔だから、彼がどこの場面で出ているかはすぐにわかるだろう。その後は主にSF映画中心に映画に出ていた。B級が多いため、「スパイ大作戦」以後は、あまり日本では馴染みがなかった俳優だ。その時代での一番のビッグタイトルは「メテオ」(79)だろうか。
転機は「タッカー」(88)だった。これは今見ても傑作。コッポラとルーカスの作品なので、どちらかがマーティン・ランドーのファンだった可能性が高い。これに出て、彼はアカデミー賞にノミネートされ、映画界にとっては無視できない存在となる。驚くのはその翌年、ウディ・アレンの「重罪と軽罪」(89)に出たこと。ウディ・アレンは89年あたりからキャスティングがただものじゃなくなってくるが、そんなアレンがマーティン・ランドーを選んでいたとは! しかもランドーは2年連続オスカー・ノミネートという快挙。名おじいさん俳優の登場である。当人が一番びっくりする大出世だったろう。
僕の抱くマーティン・ランドーのイメージは、すごく優しいおじいさん。怖い役もあるけど、優しい役の方がしっくりくる気がする。「ピノキオ」(96)でゼペットじいさんをやるところも好きだ。でも一番驚いたのは「エド・ウッド」(94)。ドラキュラ俳優ベラ・ルゴシを怪演していたのだが、モノクロで見るよぼよぼのドラキュラにびっくり! 実は僕はこの作品で初めて彼の存在を知った。一気にファンになった。
一番のオススメは「マジェスティック」(01)だ。涙なしには見られない古き良き時代の映画を偲ばせる心の良作。彼は息子思いの父親役。彼が映画を映画館でみることの素晴らしさについて語るシーンが僕は好きだ。
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