週刊シネママガジン今週のスターブルース・ウィリス
ブルース・ウィリス
ブルース・ウィリス

ブルース・ウィリス


 今じゃスキンヘッドのコワモテ俳優というイメージがすっかり定着してしまったが、アクション派・肉体派と言われる前は、コメディアンだった。テレビ「こちらブルームーン探偵社」でそのお笑いセンスが認められたと聞いているが、これについては僕が見たことがないので、感想が書けない。ただし、コメディ映画では「永遠に美しく・・・」(92)を見たことがある。メガネをかけて、ブルース・ウィリスと言わなければ彼とわからないような役柄だった。たしかにこれを見ると何でもできる俳優に思えてくる。彼を一気にビッグスターにした「ダイ・ハード」(88)も、僕の中ではコメディタッチのスリラーという位置づけである。何が面白いのかって、これはとにかくブルース・ウィリスの独り言が良かったのだ。「パルプ・フィクション」(94)はコメディとアクションの要素をミックスしたオマージュ映画であるが、このブルース・ウィリスも彼らしい役どころである。ブルース・ウィリスこそ、これからのヒーロー像にふさわしかった。それゆえ、「フィフス・エレメント」(97)や「アルマゲドン」(98)では不器用ながらも世界を救う英雄役になった。
 たしか「薔薇の素顔」(94)でヌードになり、ボカシを入れられてしまったことで腹を立てたことがあると記憶するが、あの当時は何かと露出に対して話題になった気がする。口コミでヒットした「シックス・センス」(99)にも出ているが、これはやや子役に食われた気がしないでもない。
 「ザ・プレイヤー」(92)ではジュリア・ロバーツと共に、見事なカメオ(特別出演)ぶりを披露していたが、そのせいでミスター・カメオになった感もあり。ハリウッドでは10本の指に入るほどのビッグネームであるはずであるが、意外にコケた作品が多いことと、主演を他人に取られるケースが多いせいか、忘れられるのも早く、名前もウィルスと間違って覚えられたり、時々「ブルース・ウィリスって今何してんだ?」とツッコミを入れたくなるような、演技派なのか大根なのかわからない、そういうどうしても一流になれない万年二流な親父臭さがかえって彼の魅力ではある。
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2005年3月16日