週刊シネママガジン今週のスターレスリー・ニールセン
レスリー・ニールセン
レスリー・ニールセン

Leslie Nielsen


 俳優ジーン・ハーショルトを叔父に持つレスリー・ニールセンは、60歳を過ぎてから人気が急上昇した遅れてきたスターである。よく60にもなって世間に受け入れられたものである。ドル箱コメディとなる「裸の銃<ガン>を持つ男」(88)はもともとはテレビシリーズであったが、これを映画化したことが幸運の始まりである。世界的な知名度があがり、いっきに人気はうなぎのぼり。世界でも指折りのコメディアンとなった。そのタフさ、ユーモア・センスは、とても60過ぎのじいちゃんとは思えないものである。もともとはコメディアンじゃなくて普通の性格俳優で、それこそ古き良きハリウッド黄金時代から色々な映画に出演していたものだった。しかし、やはりニールセンは60歳を過ぎてからコメディアンとして人気が出た俳優であるから、むしろ昔の作品に違和感を感じてしまう。あのSF映画の古典中の古典「禁断の惑星」(56)で主人公を演じていたのがこの人だと言えば、ちょっと驚いてしまうだろう。「ポセイドン・アドベンチャー」(72)ではポセイドン号の船長役を演じていて、あまりに役が真面目すぎて、今見ると不思議な気分である。40年間も地道に活動を続けていた事実に驚く。
 パロディ映画が得意であるが、日本のパロディ・コントの第一人者である志村けんとの共演は有名な話である。僕は最低2度共演しているところを見た。バブル時代の人気番組「加トちゃんケンちゃんごきげんTV」には時々海外スターが出演し日本流のコントを披露していたものだが、その中でもレスリー・ニールセンのまるまる1時間出演は最も記憶される一大企画だった。たしか志村けんと加藤茶とニールセンの3人が共同生活をするコントだったと記憶している。その数年後、ニールセンは「志村けんのだいじょうぶだあ」にも出演し、女装して志村けんと日本舞踊をやっていたことを僕は記憶している。
 かつての名優がウン十年ぶりに映画出演というケースは映画界では日常茶飯事であるが、たいていの俳優はよぼよぼになって昔の面影がなくなっているのがほとんどである。ところが、レスリー・ニールセンは普段何を食べているのか知らないが40年前と全く体型も顔つきも変わっていないではないか。僕にとって、ニールセンは、将来お手本にしようと思っている男である。ニールセンみたいに「男は70を過ぎてから」なんてしゃれたことを言えるジジイになりたいものだ。
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2005年1月17日