ジェームズ・コバーン

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ジェームズ・コバーン  

 この人はもっと早く紹介したかった。紹介しようしようと思っていたのだが、死後の紹介になってしまったのは悔やまれる。ジジイになってもアカデミー賞を取るほどの貫禄だったのに。

 コバーンほど砂塵が似合う役者もおるまい。「ビリー・ザ・キッド21歳の生涯」(73)もいい映画だった。個人的には「大脱走」(63)の豪華キャストの中の一人だということをプッシュしたい。「大脱走」は僕も何度見たかわからない。あの映画で何が良かったかと言えば役者たちだった。その主要キャストの中で脱走に成功した人はたしか3人だけで、内一人がジェームズ・コバーンだった。だから僕はかなりコバーンがお気に入りだった。「大脱走」を見た当時、まだまだ修行が足りない僕はコバーンとチャールズ・ブロンソンの名前をごっちゃに覚えてしまったこともあり、なんともお二人に申し訳ない思い。でもあの時はブロンソンとマックィーンも含めて、顔つきが渋い俳優トップ3の一人だなんて勝手に決めつけて、これぞ男の中の男と思っていたものです。「大脱走」はその男臭さに酔いしれた。

 モンキーパンチはコバーンをモデルにして次元大介を描いた。そこもまた日本のお茶の間のコバーン人気のワケ。60年代〜70年代は外国のスターと日本の声優がこの人はこれというのが決まっていたものだけど、コバーンの声は絶対小林清志で、もうハマリ役っす。僕の中じゃ小林さんの声は日本一かっこいい男声だと思ってます。やがて次元の声も小林さんがやることになったからそこもまた面白い。最近の役者に60年代の役者ほどの親近感を得られないのは、コバーン=小林さんのように「これだ」という専属声優がいないからじゃなかろうか。

 武術にも強く、なんとお師匠はあのブルース・リー。そういえば顔の雰囲気が似てるような気も。コバーンは割と日本人風の平凡な顔なんだよね。
 主演作にはボンドに対抗した作品「電撃フリントGO!GO!作戦」(66)や戦争映画「戦争のはらわた」(77)などがあるが、脇役で出た映画のインパクトの方がむしろ強かったりもする。コメディも得意だった。

 

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