■戦国時代にしんちゃんが乱入したらどうなる? 戦国時代にしんちゃんがタイムスリップ。恋に戦に大奮闘する作品。 「クレヨンしんちゃん」はあなどれない。毎週放送しているテレビ版も内容が濃く、よくできていると思うが、映画版はまた別の意味で見事である。 しんちゃんのギャグセンスは絶妙である。ほんとうにいいタイミングでお尻を丸出ししてくれて、おいしいキャラである。しんちゃんのギャグは、見た目に面白いが、実は大まじめなことなのである。一発ギャグをかましてハイ終わりではなく、ストーリー上、しんちゃんのギャグは外すことはできない。感動的なシーンになっても、しんちゃんのナンセンスギャグは止まらないが、ちゃんとその場の雰囲気を持続させており、しんちゃんのおかしさが感傷的なストーリーと互いに作用しあっている。大笑いしながらも目から涙がこぼれてくることもあるのである。本作の評価のすべては、しんちゃんの演技の賜物である。
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■崇高にしたつもりでおセンチ 横山光輝の漫画「バビル2世」のアニメ化作品。 しかし違った。僕なら、メインの善と悪の1対1の対決だけを膨らましただろうが、このアニメは登場人物を増やし、サブストーリーをいっぱい盛り込んで、質よりも量で攻めてしまった。そこが本作をくどくて退屈なものにしている。別に原作と違うから面白くないといっているのではないが、ただ主人公が次々と敵をやっつけてそれで終わりというのはあまりにもつまらない。新しい敵が出てくるたびに「またか」と思ってしまうのでる。また、セル画、効果音も使い回しが多く、少しも迫力がない。日本のアニメはこうもレベルが低いものだったのか? やはりアニメでは漫画独特の自由な表現領域に達することができなかった。 単調になるのを避けるためか、原作にはまったく登場しない女キャラを登場させて、ちょっとメロドラマっぽさを出しているみたいだが、場違いもいいところである。女のところだけ話がのろのろしていて、うっとうしい。
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