■意外に丹念な作りで熟練を感じさせる 友達に薦められて見た映画だけど、こりゃ大した拾いもんだった。プロデューサーのマシュー・ボーンはまだ26歳。監督のガイ・リッチーも20代。しかし若さよりも熟練を感じさせるイカしかブリティッシュ・ムービーである。
■断片的なようで連続したストーリー 群像劇としても、これほどよくできている作品に会ったのは久しぶりである。登場人物は皆愉快。「キャラクター映画」というイメージすらある。彼らがすべてひとつの犯罪事件に複雑に絡み合っていくシチュエーション描写が本作の見どころだが、この表現技法は「現金に体を張れ」の影響だろうか? しかし本作は良くできたもので、これだけ複雑に描いておきながら、敢えて時間をバラしていない。時間の流れに逆らわずに各キャラの出来事だけをピックアップして繋げている。だからカットごとにころころとシーンを変えるのは必然だったわけで、主観となる人物が入れ替わり立ち替わり変わっていくのである。忙しいようで、まとめ方は鮮やかだ。一週間の出来事の見せ場だけを凝縮し、あたかも断片的だが、ストーリーはまっすぐに連続している。 |
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