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この映画(もともと舞台劇ですが)を見たときには一杯食わされた気分でした。本作は、たった二人だけの推理ドラマです。英国を代表する二大俳優ローレンス・オリビエとマイケル・ケインが知恵比べ対決をします。「二人だけ」というのがポイントです。場所も屋敷内から一歩も出ません。屋敷内には悪趣味な人形やゲームがおびただしく置いてありますが、これといって特別重要な小道具はありません。ほとんど二人の演技を主軸にして2時間半の推理ドラマを作ってしまったのです。見事なものですね。観客を離さないように、二転三転とストーリーもかなり練ってあります。二人は最初は普通に会話しているだけなのですが、しだいにどちらかが嵌められていきます。どのようにして二人が対立関係になっていくのか、その動機とプロセスの見せ方がうまいです。 僕が感心したことは、この映画は何遍見ても面白いということです。つい最近久しぶりに見てみたのですが、一回目見たときよりも楽しめました。ネタバレされると困る内容の作品でありながら、二回目でもこの満足感は一体なぜでしょうか。これは、ストーリーがあまりにもできすぎているからだと思うのです。その綿密さは、何度見ても感心させられてしまいます。数ある推理ドラマの中でも本作は最も破天荒で秀抜な一本だと思います。 オリビエとケインの演技は本作最大の見どころです。僕はこれを見て演技とは何なのかを少し学ばせてもらいました。二人ともすごく芸を感じさせる演技者です。どちらの演技が優れているのかはここでは問題にしません。それというのも二人の演技のタイプはまるで違うからです。本作ではオリビエのコクのある演技と、ケインのあっさりした演技が、うまい具合にかみあって、お互いを引き立て合っています。オリビエとケインは本作で米アカデミー賞の主演男優賞に二人仲良くダブルノミネートされました。
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