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西部劇では何よりも面白いと思う「赤い河」と「リオ・ブラボー」。この両方とも名匠ハワード・ホークスの手作り。「赤い河」は僕にとって世界一好きな西部劇なので、別の機会で紹介するとして、ここでは「リオ・ブラボー」の価値について書きたいと思う。 そもそも本作のきっかけはジンネマンの「真昼の決闘」にある。「真昼の決闘」では主人公が悪人と戦うために街のみんなに泣きつき、クライマックスでは女に助けられる。「真昼の決闘」が傑作であることに変わりはないが、ホークスに言わせれば「あれのどこがいいのかね。俺が本当にかっこいい西部劇を作ってみせよう」とのことだ。 まず正義役が皆良い。見どころをひとつだけあげるとするとそこだろう。ジョン・ウェインの動きは真似したくなるほど面白い。あのかったるそうな歩き方と、壁に寄りかかるときのしぐさ。服装はカラフルなのに、どうしてか威厳たっぷり。拳銃ではなくてライフルで戦うところも渋い。たまにニコニコする時があるが、あの表情はウェインにしか出せまい。 もともとはアクション映画とコメディ映画に手腕を発揮してきたホークスが「赤い河」を撮ったことも特筆に値するが、それ以上に「リオ・ブラボー」がどこから見ても西部劇らしいことが興味深い。2時間半という上映時間にして、ストーリーはとてもシンプルであり、ただそこに西部劇らしい活気を付けただけというある意味大胆な構成。
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