
「カメラ」にできることは何か・・・。僕はこの映画をこれからも何遍も見るだろう。この作品ほど「カメラ」というものが何かについてじっくり本気で考えさせられた作品はなかったからだ。
工場の機械のダイナミックな動き。ひたすらカメラを回し続ける青年の手首の動き。日常風景を捉えた映像にして、その見た目のへんてこさ。観念的映像だが、観客の直観に訴えかけ、とにかくその映像の「運動」には目を奪われる。人間の目では気づかない「カメラ」ならではの映像である。
ストーリーもセリフもないが、これは撮影することの意義を教えてくれる。そのひとつひとつの映像からは、この上ない「カメラ愛」を感じることだろう。
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