週刊シネママガジンコラムスクラップ・ブック最優秀女優賞に大竹しのぶさん

モスクワ国際映画祭
最優秀女優賞に
大竹しのぶさん

2003年6月29日(日)モスクワ【共同】
第25回モスクワ国際映画祭の最優秀女優賞に、新藤兼人監督(91)=特別功労賞受賞=の「ふくろう」に主演した大竹しのぶさん(45)が選ばれた。
「ふくろう」は戦後、東北地方の開拓村で起きた連続殺人事件を、サスペンスと喜劇的要素を同時に盛り込みながら抽象画のように描いた作品。

ふむ。このニュースで驚くところは二点ある。大竹しのぶが最優秀女優賞を取ったのは凄いことだが、昨年市川実日子が「blue」で、一昨年は宮沢りえが香港映画「遊園驚夢」でそれぞれ最優秀女優賞を受けているから、今回で大和撫子3年連続受賞の快挙となり、なおも凄い。国際映画祭には連続受賞は無理だというジンクスは、もはや通用しないのだし、それだけ大竹しのぶの演技が上手だったということだ。同じ日本人として喜ぼうぞ。
もう一点驚いたのが新藤監督のパワーだな。91歳という年齢は、映画監督としては世界最高齢のはずだし、その年で映画祭で注目されるだけの作品を作る元気があって、功労賞まで授かって、さあ大変だ。カンヌ・ベネチア・ベルリンではなく、あえてロシア映画ばかりのモスクワに出品した目利きもさることながら、同映画祭で3度もグランプリを獲得した才能は、まったく尊敬に値するものぞ。

 

2003年7月7日