週刊シネママガジンコラムスクラップ・ブックハリウッドばりゴージャス映画を

デジタル編集導入に
優遇税制の創設検討
ハリウッドばり
ゴージャス映画を

2003年11月4日(火)文化庁【読売新聞】
文化庁は日本映画のレベルアップを図り、映画界を活性化させるため、映画製作会社などが最新のデジタル編集設備を購入した場合の優遇税制措置創設を検討している。実現すれば、デジタル編修装置や音声処理装置、CG制作装置などを購入した場合、その年度に支払うべき法人税額から購入額の10%を控除することを検討している。
同庁は対象となる企業約400社が今後5年間で設備を更新することを目標としており、年間の増税額を約18億7千万円と見込んでいる。
先端技術を駆使するハリウッド映画のような日本映画は誕生するか・・・。

近年の日本映画は、宮崎駿と北野武の活躍のお陰で、黒澤時代へと復調のきざしをみせとる。
この税制には、日本でも「ファインディング・ニモ」みたいな映画を作ってもらいたいという願いがこめられておる。要はフィルムのビデオ化、宮崎アニメのピクサー化じゃな。文化庁は設備を強化することで、アメリカと互角に渡り合おうと意気込んだのじゃろうか。このニュースは確かに活動屋たちを奮い立たせたかもしれん。じゃが、今まで質だけで勝負してきた日本映画の伝統を見くびってはいかん。進歩的な傾向に反対するわけではないが、昔からのやり方もたまには思い出して欲しいもんじゃ。
わしが今嘆いとるのは、手作りを感じさせる作品がめっきり少なくなってしまったことじゃ。昔は良かったぞ。今のアニメ番組はほとんどがデジタルになった。運命かな、「ASTRO BOY 鉄腕アトム」の謳い文句は「最後のセル画作品」なんじゃ。

2003年12月21日