シネセゾン所沢
名画の館
ひっそり閉幕

2003年5月29日(木)所沢
【朝日新聞ー西埼玉】

所沢市の西武百貨店8階で営業を続けてきた映画館「シネセゾン所沢」が28日、ひっそりと閉館した。西武線所沢駅前に86年の百貨店オープンと同時に閉館、「雨にぬれずに行ける映画館」として沿線から通う常連客も多かった。閉館は観客数の減少が理由。

シネコンが続々と出てきてるのも間違いないが、車で行けて、ゆったりと座って見られる複合映画館と違い、車で行けず、スクリーンも一つしかない映画館は、たとえ沿線だろうとも、廃れていくものだ。悲しいことに、閉館する映画館は名画座やミニシアターばかり。ヨーロッパの映画が見られる映画館が軒並み無くなっていくのは残念だ。
僕は恥ずかしながら、所沢に住んでいながら、この映画館には一度も行かなかった。僕は普段は歌舞伎町か有楽町でしか映画は見ないので、近場にこんな素晴らしい映画館があることなど、気づかなかった。灯台下暗しとはいうが、せめて閉館前に告知でもしてくれたら、一度は見に行ったものを、シネセゾンには告知するパワーも残っていなかったのか?
所沢にはかつて3館の映画館があったが、いずれも80年代初頭に閉館。それから後に登場したのが新所沢駅前パルコのレッツシネパークと、掲題のシネセゾンであった。所沢に残す映画館はたったの1館だけになった。寂しい。