四角いスポンジの大活躍を描いた『スポンジ・ボブ』はニコロデオンチャンネルで毎日放送中の大人気アニメだ。海外アニメとしては、文句なしのナンバー1である。アメリカでは子供向け番組で常に最高視聴率をマーク。日本でもキャラクター・データバンクによる「好きな海外キャラクター」調査でミッキーマウスやスヌーピーをおさえて、スポンジ・ボブが堂々の1位になった。子供だけでなく、大人にも大人気で、この映画が公開されたときは、劇場が連日満員になるという盛況ぶりであった。中には前売り券を10枚も買うお客さんまで! 渋谷パルコにはスポンジ・ボブの専門店がオープン。情報誌やファッション誌などの雑誌でも取り上げられ、中高生の認知度は75%以上と言われている。海外アニメとしては、Google、Yahoo!の検索ワードで断トツである。
僕もスポンジ・ボブの大ファン。これは昔のカートゥーンばりに無邪気なアニメだが、内容はとても今風だ。今の子供の感覚にあっている。スポンジなのに手足があって、顔があって、バーガーが大好き。動物でも人間でもなく、スポンジがしゃべるところが今ならではのアイデアである。子供向けアニメの主人公は従来は丸っこいと相場が決まっていたが、スポンジ・ボブは四角い。でもこの形がなんだかとっても愛くるしい。序盤の方で、スポンジ・ボブの日常風景が描かれているが、シャワーを浴びるシーンも、歯磨きをするシーンも、一度見たら絶対ハマるだろう。
この映画の魅力はキャラクターの子供っぽい愛嬌に尽きる。たとえストーリーがなくとも、キャラクターの動きを見ているだけで楽しくなる。まさに「ヤバ可愛い」とはこのこと。それだけでも十分だが、ストーリーについても思いの外よくできていたりする。次々と巻き起こる出来事もバカバカしくて笑えるが、ナンセンスもここまで徹底すると気持ちがいい。悩みなんかすべて忘れて家族みんなで大笑いする健康的なアニメである。後半にはちょっとじんとくるシーンもある。スポンジ・ボブは世間知らずだが、とても一生懸命。人助けのために命懸けで冒険をする。そのひたむきな姿には胸を打たれる。
声優としてスカーレット・ヨハンソンが出ていることも注目である。彼女が演じる人魚は、メガネにそばかすにたらこ唇なのに、これが妙に色気があって可愛かったりするので、ここもひとつの見どころだ。
初回限定生産の「スペシャル・コレクターズ・エディション」は、舞台裏やストーリーボードなど、58分の映像特典に加えて、組み立てスポンジ・ボブ・キットの付録もついて、これで3129円のお得品だ。
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