週刊シネママガジン作品紹介B級映画ラボ猿の惑星テレビシリーズ
猿の惑星

 僕が子供の頃最も熱中した洋ものドラマです。やっぱり子供のころからこういうSFが大好きだったんですね。チャールトン・ヘストンの本家映画版も大好きなんですが、これはそれ以上に愛着を感じています。この再放送を見ていたころ、僕はまだ小学生。深夜に放送していたのですが、偶然夜更かししてたときにみた第1話に惚れ込み、翌週からも、小学生のくせに、がんばって夜遅くまで起きてて見ていたわけです。毎週ワクワクの連続でした。でも、眠気に勝てずに寝てしまい、見逃した回も多かったです。僕は荒れ地や廃墟のセットの作りこみがけっこう気に入ってました。
 猿が支配する未来の地球に不時着してしまった男二人が、一人の猿を味方につけて、3人で逃亡の旅を続ける話で、1話1話でストーリーは完結していました。けっこうストーリーはこっていて、14話で突然打ち切りになってしまったのが、悔しくてたまりません。
 僕が好きなのは、出演者たちの日本語の声でした。レギュラーキャストの吹き替えを担当したのは、植木等さん、羽佐間道夫さん、井上真樹夫さん、永井一郎さん、小林清志さん。僕の好きな声優が総出演です。これは吹き替えで見なくちゃ意味がないといっていいくらいでしょう。日本の声優の声が、まったくぴったり一致していることに驚きますが、もはやあの出演者達が英語で喋っているところなど、想像もできないです。日本語が僕の脳内に完全にすり込まれています。でも、後々原音を聞いてみると、ずいぶんと意味が違っていたことに驚かされました。日本人向けに、声でストーリーもいくぶんか脚色されていたのです。ナレーションで大木民夫さんが毎週ラストシーンに必ず決めゼリフを入れていたところも日本語版ならではですが、これがあまりにも様になってるので、原音にこのセリフがないのは寂しいです。オープニングテーマも勝手に日本人が作曲したみたいですが、これも原音のテーマ曲よりも遙かにかっこいいです。
 どんなに原音をズタズタにしていても、それでも日本語の方に拍手を送りたいです。猿の声を演った植木さんうますぎです。植木さんは中年男の倦怠を表現していましたが、原音にはそのような印象はありません。つまり、植木さんなりのキャラクターに脚色されてしまったわけです。今の吹き替えでは許されないことですが、当時は吹き替えにも市民権があったわけでして、好き勝手にセリフを変更できたのですね。
 とにかく、このテレビシリーズは吹き替えの面白さを僕に教えてくれた作品として、僕の愛すべき宝物であります。
  

原題:Planet of the Apes
製作年:1974年
製作国:アメリカCBS
出演:ロディ・マクドウォール
音楽:ラロ・シフリン、ライオネル・ニューマン
「猿の惑星TVシリーズ」DVD


管理人の想い出の海外テレビシリーズ
「インベーダー(再放送で見ました)」
「奥様は魔女(再放送で見ました)」
「素晴らしき日々」

2004年11月24日