「エイリアンVSプレデター」なる企画が成立してから、なにかと「エイリアン」シリーズと比較されることが多くなった「プレデター」だが、2作目が1作目よりも評価された「エイリアン」と比べると、「プレデター」の2作目は、失敗作といわれがちだ。スター俳優が出ていないし、ストーリーも今一つで、どうしてもB級臭さは拭えない。
よく見直してみると、実は驚くほど未来を予見した内容になっている。つまり、「エイリアン」と「プレデター」がひとつになることは計画的だったことがわかってしまうのだ。
キャスティングがくせ者だ。まだまだ無名だったダニー・グローバーは今ではいい役者になった。他に「エイリアン2」のあのビル・パクストンが出ている点も見逃せない。あえて「エイリアン2」を意識して彼が選ばれたのではないかと邪推したくなる。
そしてヒロイン役がマリア・コンチータ・アロンゾ。通常なら配役されることのない知る人ぞ知る女優になった人だが、実は彼女は「バトルランナー」でシュワルツェネッガーの相手役をしていた女優なのだ。ここに「1」との意外なリンクポイントがあったとは!まったく映画マニアをニヤリとさせる粋なキャスティングである。
この映画、1作目に比べるとプレデターの武器がやたらと増えすぎて、かえってつまらなくなってしまったのだが、しかしこれに続く「エイリアンVSプレデター」をみてみると、この2作目でお披露目された武器が次々と出て来くるわけで、生態やその特徴など、「エイリアンVSプレデター」は明らかに「プレデター2」の流れになぞらえた内容になっていることがわかる。つまり「プレデター2」はプレデターという怪物像を確立させた「エイリアンVSプレデター」シリーズの真の第1作といえるのだ。この価値は大きい。ダニー・グローバーの勇姿は惚れ惚れするものがあるが、しかしプレデターの存在に食われているようだし、プレデターという存在がやっとここで際立って来たように思う。精肉工場でプレデターが追い詰められるシーンはなんだか可哀相にも思えてきたりする。
忘れてならないのは、最後の場面に出て来る「エイリアン」の頭蓋骨だ。なんと意味深であろうか。これぞ未来予知の動かぬ証拠。「エイリアン」への対抗心むきだしというか、どうせ両方ともFOX映画だし、FOXが宣伝に利用したのか、それともこの頃から「エイリアン」との吸収合併を目論んでいたのか、目的は定かではないが、これは運命的だ。
「エイリアン」ファンにとっては、「エイリアンVSプレデター」はまったくけしからんバチ当たりな映画に思えてならんが、「プレデター」のファンにとっては「エイリアンVSプレデター」は、正式な続編として迎え入れるべきものだった。
いよいよ「エイリアンVSプレデター」には続編ができたが、プレデターはどんな活躍を見せてくれるのだろうか?楽しみである。
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