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DVDの低価格化が進んでいる。フォックスは、ワーナーに対抗してか、999円のDVDを発表。千円札でお釣りが戻ってくるリーズナブルな価格にして、映画ファンを「うん」といわせる高画質。安さと品質、両方とも上出来。これはめでたい!
そのラインナップの中でもぜひとも買っておきたい作品がこの「ファントム・オブ・パラダイス」。ブライアン・デ・パルマの作品とあって、全編にアヤしいムードのただよう一本。「オペラ座の怪人」「ファウスト」などが土台になったロック・ミュージカルである。名声のために狂う人間の欲望と憎悪を、どぎつい映像の中にねちっこく描いているが、セットデザインといい、怪物の扱い方といい、その趣味の悪さから、「ロッキー・ホラー・ショー」と比較される「カルト作」だが、シナリオの構成力では「ファントム」が上。適度なふざけ具合も可愛らしい。
一番面白いのは、本物の作曲家ポール・ウィリアムズ本人が作曲家役で出演していることだ。この扱われ方はすごい。存在そのものが恐怖である。初登場のシーンもなにやら怖いし、しゃべり方もなにやら怖い。この怖さは説明不可能だ。主人公の怪物の歌声を吹き替えているのもポール・ウィリアムズであり、他人の名声を盗んで自分のものとするテーマとうまくからめている。
後半から悪魔祓い的な映画へとスイッチさせていく手並みもうまい。前半にその気配すら見せなかっただけに、ミステリアスさがいきなり高まり、作品に引き込まれる。
ライブ会場で大勢の観客たちが踊り狂う壮絶なラストシーンは、すべての出来事をまとめていっきに完結させる手法のいいお手本である。
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原題:Phantom
of the Paradise
製作年:1974年
製作国:アメリカ
監督・脚本:ブライアン・デ・パルマ
音楽・出演:ポール・ウィリアムズ
出演:ウィリアム・フィンレイ、ジェシカ・ハーパー
上映時間:92分
DVDの情報
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ミュージシャンが出演した映画
「オー!ゴッド」(77年/米)
カントリー歌手ジョン・デンバーが出演
「未来警察」(85年/米)
キッスのジーン・シモンズが素顔で出演
「フリージャック」 (92年/米)
ミック・ジャガーが出演
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